わだち歯科シニア歯科の院長玉本です。
咀嚼が脳に及ぼす効果には個人差があり、現在研究が進んでいる分野ですが、自転車を運転中に眠気覚ましにガムを噛むなど、生理学的にも物を噛むと反射神経や記憶力・集中力・判断力などが高まることがわかっています。
これは噛むという行為が脳の働きと密接につながっているからです。咀嚼をすると脳に様々な刺激が伝わり、脳細胞が活性化するのです。
お口は脳と繋がっている
口と脳のつながりは重要で言語、食欲、感覚、感情など多くの機能が関係しています。特に咀嚼と脳とは密接な関連性があります。
咀嚼は食物をかみ砕き、口から胃への消化を開始するだけでなく、口から脳への情報伝達や脳の活性化にも役立っています。健康な食事習慣と適切な咀嚼は、脳と全身の健康にプラスの影響を与える大切な要素です。
よく噛むことで、こんな効果が!
・認知力のアップ
大脳皮質の約30%を前頭前野は、コミュニケーション・感情の制御・記憶のコントロール・意思決定などの働きを担っています。しっかり噛むことでこの前頭前野の活性化が促されます。これは高齢者において顕著で、認知能力の向上につながると言われています。
・記憶力の強化
海馬は脳の中心に近い場所にあり、記憶力や空間認知能力を司っています。脳に入った情報は海馬に整理され、その後大脳皮質に保存されていきます。海馬は「記憶の司令塔」と言われる重要な部分です。そのような海馬の機能が、噛むことで活性化されるのです。
・気持ちが落ち着く
幸せホルモンとも呼ばれ、心の安定に欠かせない脳内物質「セロトニン」は咀嚼することにより増加することがわかっています。セロトニンが減少すると、気持ちが不安になったり落ち込みやすくなる他、目覚めも悪くなり、集中力も低下します。