こんにちは。
わだち歯科シニア歯科の院長玉本です。
稲沢市、あま市、清須市、などの近くの地域で、
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予約しなくてもご来院頂けますので、ぜひいつでもお気軽にお越しください。
年齢を重ねると、「食べにくい」「むせやすい」「口が乾く」など、お口のトラブルが増えてきます。
しかし、こうした変化を「歳のせい」として放置してしまうと、健康全体に影響が及ぶことをご存じでしょうか。
実は、お口の環境は全身の健康と深くつながっており、口腔ケアは健康寿命を延ばすために欠かせない習慣といえます。
今回は、高齢者のお口ケアがなぜ健康寿命に影響するのか、その理由をわかりやすくご紹介します。
1. なぜ高齢になるとお口の問題が増えるの?
加齢に伴い、口の中は次のような変化が起こります。
■ 唾液量の減少
加齢や薬の影響で唾液が減ると、細菌が増えやすくなり、虫歯・歯周病が進行しやすくなります。
■ 歯ぐきや骨の弱り
歯周病の進行で歯が揺れたり、噛む力が落ちたりすることがあります。
■ 舌や頬の筋力低下
飲み込む力(嚥下機能)が低下し、食事中にむせやすくなる原因になります。
これらは「自然な変化」ですが、適切なケアを行うことで進行を抑えることができます。
2. お口の健康が“全身”に関係する理由
お口のケアが健康寿命に直結するのは、次のような関係性があるからです。
■ ① 口の中の細菌が誤嚥性肺炎を引き起こす
高齢者の肺炎の多くは、食べ物や唾液が誤って気管に入る「誤嚥」が原因です。
口の中に細菌が多いと、その細菌が肺に入り、誤嚥性肺炎を起こしやすくなります。
口腔ケアによって細菌を減らすことで、発症リスクを大幅に下げることができます。
■ ② 歯周病が全身疾患のリスクを高める
歯周病菌は血管から全身へ広がり、
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動脈硬化
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心筋梗塞
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脳梗塞
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糖尿病の悪化
などのリスクを高めるといわれています。
■ ③ 噛めないと栄養状態が悪化
歯を失うと噛みにくくなり、柔らかいものばかり食べるようになります。
その結果、タンパク質不足や栄養低下につながり、筋力・免疫力が落ちてしまいます。
3. 健康寿命を延ばすために必要なお口ケアとは?
お口の健康を守るためには、“自宅でのケア”と“専門的なケア”の両方が必要です。
■ ① 毎日のセルフケア
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歯ブラシで丁寧に磨く
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歯間ブラシやフロスで隙間の汚れを除去
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唾液分泌を促すためによく噛んで食べる
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口や舌のストレッチでお口の筋力を維持
特に舌のケアはお口の細菌減少に効果的です。
■ ② 定期的なプロケア
高齢者は歯周病の進行が早く、歯石もつきやすくなります。
歯科医院でのクリーニングや検診により、
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歯周病の早期発見
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誤嚥性肺炎の予防
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入れ歯の調整
などが行え、トラブルを未然に防ぐことができます。
4. 噛む力が健康に与える影響は大きい
研究では、「歯が20本以上残っている高齢者」の方が、
・要介護になるリスクが低い
・認知症の発症率が低い
・転倒しにくい
などの結果が報告されています。
噛む刺激は脳に信号を送り、認知機能の維持にも役立ちます。
逆に、歯を失うと噛む回数が減り、脳への刺激が弱まるといわれています。
5. 口腔ケアは“介護予防”にもつながる
口の中が健康であることは、
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食べられる
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会話がしやすい
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人と関わる意欲が湧く
といった生活の質(QOL)の向上につながります。
「よく食べて、よく話し、よく笑う」
これらは介護予防においてとても重要な要素です。
まとめ:お口のケアは健康寿命を支える重要な習慣
高齢者のお口ケアは、単に虫歯や歯周病を防ぐためのものではありません。
誤嚥性肺炎や全身疾患の予防、栄養状態の改善、認知症予防など、全身の健康と生活の質を守る重要な役割があります。
「歳だから仕方ない」と思わず、今日からできるケアを始めてみませんか?
お口の健康を保つことは、生涯を自分らしく過ごすための大切な一歩です。