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全身の健康を守る“口腔ケア”とは?誤嚥性肺炎・脳梗塞・心筋梗塞を防ぐ理由を解説

こんにちは。
わだち歯科シニア歯科の院長玉本です。

稲沢市、あま市、清須市、などの近くの地域で、
シニアの方々やそのご家族の方々に愛され、おすすめして頂ける歯科医院を
目指しています。

予約しなくてもご来院頂けますので、ぜひいつでもお気軽にお越しください。

「歯みがき=虫歯予防」と思われがちですが、実はそれだけではありません。
近年、口腔ケア(こうくうケア)は“全身の健康を守るケア”として注目されています。
口の中の清潔を保つことが、誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)や脳梗塞、心筋梗塞といった命に関わる病気の予防につながることが明らかになってきています。
この記事では、なぜ口腔ケアが大切なのか、そのメカニズムと日常でできるケアのポイントをわかりやすく紹介します。


1. 口腔ケアとは?

口腔ケアとは、口の中を清潔に保ち、歯・歯ぐき・舌・粘膜の健康を守るケアのことです。
大きく分けると、次の2つの役割があります。

  • ① 清潔ケア:歯や舌、粘膜の汚れ(プラーク・食べかす)を取り除くこと

  • ② 機能ケア:口の動きや飲み込む力(嚥下機能)を維持・改善すること

単に「歯を磨く」だけでなく、「食べる・話す・呼吸する」ための機能を守ることも、口腔ケアの大切な目的です。


2. なぜ口の中が全身の病気に関係するの?

口の中には約700種類の細菌が棲んでおり、清潔を保たないと細菌が増殖します。
この細菌が歯ぐきの炎症や血流を通じて全身に影響を及ぼすことが、近年の研究でわかっています。

■ 歯周病菌が引き起こす全身への影響

  • 誤嚥性肺炎:唾液や食べ物と一緒に細菌が気道に入り込み、肺で炎症を起こす

  • 脳梗塞・心筋梗塞:歯周病菌が血管内に侵入し、動脈硬化を進行させる

  • 糖尿病の悪化:歯周病による炎症がインスリンの働きを妨げる

つまり、口の中の細菌をコントロールすることが、全身疾患の予防につながるのです。


3. 特に注意したい「誤嚥性肺炎」との関係

誤嚥性肺炎は、高齢者に多く見られる肺炎の一種で、口の中の細菌を含んだ唾液や食べ物が誤って気管に入ることで起こります。
加齢や病気で飲み込む力が低下すると、口の中の細菌が肺に入りやすくなり、炎症を引き起こします。

しかし、口腔ケアをしっかり行うことで、発症リスクを大きく減らすことができます。
実際に、介護施設などで口腔ケアを徹底した結果、誤嚥性肺炎の発症率が大幅に下がったという報告もあります。


4. 日常でできる口腔ケアのポイント

① 毎日の歯みがきを丁寧に

歯ブラシは「毛先が届いているか」が重要です。
1日2〜3回、歯と歯ぐきの境目を意識してやさしく磨きましょう。

② 舌や頬の内側もケアする

舌の上には細菌が多く棲んでおり、舌ブラシやガーゼで軽く清掃するのがおすすめです。
口臭予防にも効果的です。

③ 口の体操で“飲み込む力”を維持

「あいうえお体操」や「パタカラ体操」など、口や舌を動かす練習を毎日行うことで、嚥下機能が保たれます。

④ 定期的なプロケア

歯科医院での定期的なクリーニングや、歯周病のチェックを受けましょう。
自分では落とせない汚れを除去することで、細菌の増殖を防げます。


5. 高齢者や介護が必要な方の口腔ケア

自分でケアが難しい方には、介助や専門的なケアが必要です。
歯科衛生士による訪問ケアや、介護スタッフのサポートで、口腔内の清潔と機能を維持できます。
口腔ケアを習慣化することは、栄養摂取・会話・表情づくりにも良い影響を与え、生活の質(QOL)を高めます。


まとめ:口腔ケアは“命を守るケア”

口腔ケアは、単なるお口の掃除ではなく、「全身の健康を守るための医療的ケア」です。
歯周病菌や口腔内の細菌をコントロールすることで、誤嚥性肺炎・脳梗塞・心筋梗塞のリスクを減らすことができます。

毎日の小さなケアが、健康寿命を延ばす大きな一歩。
今日からできる口腔ケアで、“噛む・話す・笑う”をずっと続けていきましょう。