こんにちは。
わだち歯科シニア歯科の院長玉本です。
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虫歯や外傷などで神経を取った歯(失活歯)は、時間とともに黒ずんだり、黄ばんだりすることがあります。「前歯の色が他と違って気になる」「せっかくの笑顔が台無し」と感じた経験がある方も多いのではないでしょうか。
こうした失活歯の色の変化は、通常のホワイトニングでは改善が難しい場合があります。そこで用いられるのが「ウォーキングブリーチ」という専門的なホワイトニング方法です。
今回は、ウォーキングブリーチの特徴や治療の流れ、メリット・デメリットについて詳しく解説します。
失活歯とは?なぜ変色するの?
「失活歯」とは、神経を除去した歯、いわゆる“神経を抜いた歯”のことを指します。根管治療(根っこの治療)を行った後の歯は、血流が失われるため徐々に栄養供給が止まり、時間とともに色がくすんでくるのが一般的です。
この変色の原因には、以下のようなものがあります。
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神経や血管の残骸が内部に残ることによる色素の沈着
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根管治療に使う薬剤や詰め物が歯に染み込む
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歯の構造的変化による光の透過性の低下
見た目の変化が大きく、特に前歯など目立つ場所では審美的な悩みにつながることも多くあります。
ウォーキングブリーチとは?
ウォーキングブリーチとは、神経を取った歯の内側から漂白剤を作用させ、歯の色を内側から改善するホワイトニング法です。「ウォーキング(歩く)」という名前がついているのは、薬剤を入れた状態で数日〜1週間ほど日常生活を送ることからです。
この方法は、通常の表面から行うホワイトニングとは異なり、歯の内部に薬剤を入れて時間をかけて漂白するという点が特徴です。
治療の流れ
ウォーキングブリーチの基本的な手順は以下の通りです。
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歯の内部(根管)の状態を確認し、再感染などがないかをチェック
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歯の裏側から小さな穴を開け、漂白用の薬剤(過酸化水素や過ホウ酸ナトリウム)を歯の内部に注入
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一時的に封鎖し、薬剤が作用するのを数日〜1週間程度待つ
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色調が改善されたら、薬剤を除去し、再び詰め物で密封する
通常、数回の通院で完了しますが、希望する白さになるまで複数回の処置が必要なこともあります。
ウォーキングブリーチのメリットとデメリット
メリット
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神経を取った歯でも自然な白さを取り戻せる
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歯を削らずに処置できる(被せ物にしなくて済む)
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色の変化が分かりやすく、満足度が高い
デメリット
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再発色(再度くすんでくる)する可能性がある
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何度か通院が必要になる
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歯の内部を触るため、強度に多少のリスクがある
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根管に感染がある場合は先に治療が必要
審美性と歯の保存を両立したい方には適した方法ですが、事前の診断と適応の判断が重要です。
通常のホワイトニングとの違い
通常のホワイトニング(オフィスホワイトニングやホームホワイトニング)は、過酸化水素などの薬剤を歯の表面に塗布して、エナメル質と象牙質を対象に白くしていく方法です。
しかし、失活歯の場合は歯の内部からの変色であるため、表面だけのホワイトニングでは効果が乏しいのが実情です。
ウォーキングブリーチは、内側からの色素に直接働きかけるため、失活歯専用のアプローチとして有効です。
こんな人におすすめ
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前歯など目立つ部位の失活歯が黒ずんできた方
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差し歯にはしたくないが見た目は改善したい方
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笑顔に自信を取り戻したい方
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再治療せずに審美改善を目指したい方
美しい笑顔を取り戻すための選択肢として、ウォーキングブリーチは非常に有効な方法のひとつです。
まとめ:失活歯もホワイトニングできる時代
「神経を取ったから仕方がない」と諦めていた歯でも、ウォーキングブリーチという方法を使えば、見た目の印象を大きく改善できます。
特に前歯の変色は顔全体の印象を左右するため、白く整えることで自信を持って笑えるようになる方も多くいます。
ただし、すべての失活歯に適応できるわけではなく、歯の状態や根管の治療歴によっては難しいケースもあるため、まずは歯科医院でしっかりと診断を受けましょう。歯を削る治療に頼らずに、美しい歯を取り戻すための第一歩として、ぜひウォーキングブリーチを検討してみてください。