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口腔機能の低下は子供も高齢者もおこりえる?

こんにちは。
わだち歯科シニア歯科の院長玉本です。

口腔機能の低下と聞くと高齢者に特有の問題と考えがちですが、実は子供にも起こりえることをご存じでしょうか?口腔機能の低下は噛む力や飲み込む力、話す能力に影響を与え、全身の健康や生活の質にも大きな影響を及ぼします。今回は、子供から高齢者までの口腔機能低下の原因と予防法について解説します。

口腔機能低下とは?

口腔機能とは、噛む、飲み込む、発音するなど、口腔内で行われる基本的な動作を指します。これらの機能が低下することで、摂食・嚥下障害や発音障害、さらには全身の健康状態の悪化を引き起こすことがあります。原因やリスク要因は年齢によって異なりますが、予防の重要性は全世代で共通しています。

子供における口腔機能低下の原因と影響

子供の場合、口腔機能の低下は成長過程における問題や生活習慣が関与しています。

  1. 噛む力の低下
    柔らかい食べ物を好む食生活や、噛む機会の少ない食品ばかりを摂取することで、顎の発達が不十分になり、噛む力が低下することがあります。

  2. 口呼吸
    アレルギー性鼻炎や慢性的な鼻づまりが原因で口呼吸が癖になると、舌や口周りの筋力が低下し、歯並びや発音に悪影響を与えることがあります。

  3. 舌や唇の使い方の未熟さ
    舌や唇の運動機能が未発達だと、正しい嚥下(飲み込み)や発音が難しくなります。これが学習や社会的な発達にも影響する場合があります。

高齢者における口腔機能低下の原因と影響

高齢者の場合、加齢や疾患が口腔機能低下を引き起こす主な要因となります。

  1. 歯の喪失
    歯周病や虫歯で歯を失うと噛む力が弱まり、食事が不自由になります。また、入れ歯の使用に慣れないことも噛む力の低下につながります。

  2. 筋力の衰え
    加齢に伴い、舌や顎の筋力が衰えることで嚥下力が低下し、誤嚥(食べ物が気管に入ること)や窒息のリスクが高まります。

  3. 唾液分泌の減少
    加齢や薬の副作用で唾液の分泌が減少すると、口腔内が乾燥し、飲み込みや発声が困難になります。これにより、食欲の低下や社会的なコミュニケーションの減少が生じることがあります。

口腔機能低下を予防するための日々の習慣

  1. 噛む力を鍛える食生活
    子供の場合は硬めの食品(例:りんご、にんじん)を取り入れ、高齢者の場合も適切な硬さの食材を意識して噛む習慣を維持しましょう。

  2. 口周りの筋力トレーニング
    舌や唇を動かす運動(例:舌回し、唇をすぼめる運動)を日常に取り入れることで、口腔周辺の筋力を維持できます。

  3. 正しい口呼吸の改善
    子供の場合は鼻呼吸を習慣づけ、高齢者の場合も口腔内の乾燥を防ぐために適切な湿度を保つことが大切です。

  4. 定期的な歯科検診
    子供も高齢者も、歯科医の指導を受けて虫歯や歯周病を予防することが、口腔機能を守る第一歩です。

まとめ

口腔機能の低下は、子供も高齢者も他人事ではありません。適切な食事や運動、生活習慣の見直しを通じてリスクを軽減することができます。早期から予防に取り組み、世代を問わず健やかな口腔環境を維持していきましょう。