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口の乾きは“老化のサイン”?高齢者に多いドライマウスの原因と対策

こんにちは。
わだち歯科シニア歯科の院長玉本です。

稲沢市、あま市、清須市、などの近くの地域で、
シニアの方々やそのご家族の方々に愛され、おすすめして頂ける歯科医院を
目指しています。

予約しなくてもご来院頂けますので、ぜひいつでもお気軽にお越しください。

「最近、口が乾く」「食べ物が飲み込みにくい」「夜中に喉が渇いて目が覚める」──
こうした症状を感じていませんか?
それは、加齢によって唾液の分泌量が減ることで起こる“ドライマウス(口腔乾燥症)”のサインかもしれません。

ドライマウスは単なる不快感にとどまらず、虫歯や口臭、誤嚥性肺炎など全身の健康にも関係する重要な問題です。
この記事では、高齢者に多いドライマウスの原因と、その対策をわかりやすく紹介します。


1. ドライマウス(口腔乾燥症)とは?

ドライマウスとは、唾液の分泌が減少し、口の中が乾燥する状態を指します。
口が乾くだけでなく、「舌がひび割れる」「食べ物がうまく飲み込めない」「口臭が強くなる」といった症状を伴うこともあります。

唾液は、食べ物を飲み込みやすくするだけでなく、

  • 口の中を洗浄して細菌を減らす

  • 歯を再石灰化して虫歯を防ぐ

  • 味覚を正常に保つ
    など、健康な口腔環境を維持するために欠かせない働きをしています。


2. 高齢者にドライマウスが多い理由

■ ① 唾液腺の機能低下

加齢により、唾液をつくる「唾液腺(だえきせん)」の働きが少しずつ衰えます。
これにより、食事や会話などの刺激があっても唾液が出にくくなります。

■ ② 薬の副作用

高血圧、糖尿病、うつ病、アレルギーなどで使用される薬の中には、唾液の分泌を抑える副作用を持つものがあります。
特に複数の薬を服用している高齢者ほど、口の乾きが強く出る傾向があります。

■ ③ 口呼吸やいびき

鼻づまりや加齢による筋力低下で、口を開けて呼吸する習慣がつくと、口の中が乾燥しやすくなります。

■ ④ 水分摂取量の低下

高齢になると、喉の渇きを感じにくくなり、水分摂取が減ることもドライマウスの一因です。


3. 放っておくとどうなる?

ドライマウスをそのままにしておくと、さまざまなトラブルを引き起こします。

  • 虫歯や歯周病のリスク増加:唾液が少ないと細菌が繁殖しやすくなる

  • 口臭の悪化:乾燥により口内の自浄作用が低下

  • 食べにくい・話しにくい:唾液不足で舌や口の動きがスムーズでなくなる

  • 誤嚥性肺炎のリスク上昇:唾液が少ないと、細菌が喉や気管に入りやすくなる

つまり、ドライマウスは“口の問題”にとどまらず、“全身の健康”にもつながるサインなのです。


4. 今日からできるドライマウス対策

① 水分をこまめにとる

一度に大量ではなく、少量を数回に分けて摂取するのがポイントです。
コーヒーや緑茶は利尿作用があるため、水や白湯を選びましょう。

② よく噛む習慣をつける

咀嚼(そしゃく)は唾液の分泌を促す最も自然な方法です。
ガムや乾燥食品など、少し噛みごたえのある食品を意識的に取り入れましょう。

③ 口まわりのマッサージ

耳の下やあごの下にある唾液腺をやさしくマッサージすると、唾液の分泌が促されます。
「ほほをぐるぐる回す」「舌を動かす」といった体操も効果的です。

④ 室内の乾燥を防ぐ

加湿器を使ったり、口を閉じて寝る工夫(口テープや枕の調整)をすると、乾燥を防げます。

⑤ 口腔保湿剤やスプレーを活用

ドラッグストアには、唾液代わりに潤いを補うジェルやスプレーがあります。
寝る前や長時間の会話の前に使うのもおすすめです。


5. 医療機関でのケアも大切

症状が長く続く場合は、医療機関で原因を調べることが大切です。
歯科医院では、口腔乾燥の状態をチェックし、保湿ケアや唾液腺マッサージの指導を受けられます。
また、薬の影響が疑われる場合は、主治医に相談し、服薬内容を調整することも検討します。


まとめ:ドライマウスは「老化現象」とあきらめないで

加齢とともに唾液が減るのは自然なことですが、生活習慣やケア次第で改善は十分可能です。
口の中を潤すことは、虫歯・口臭・誤嚥性肺炎などの予防にもつながります。

「最近、口が乾くな」と感じたら、それは体からのサイン。
早めに気づいて対策を始めることで、快適な毎日を取り戻しましょう。