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わだち歯科シニア歯科の院長玉本です。
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年齢を重ねると、唾液の分泌量が減少し、口の中が乾燥する「ドライマウス(口腔乾燥症)」の症状が現れることがあります。唾液は口腔内の健康を保つ重要な役割を担っており、減少するとさまざまなトラブルを引き起こします。今回は、高齢者に多い唾液の減少と、それに伴う問題や対策について詳しく解説します。
唾液の役割とは?
唾液は単に口を潤すだけでなく、以下のような重要な働きをしています。
- 口内の自浄作用:食べかすや細菌を洗い流し、虫歯や歯周病を防ぐ
- 消化のサポート:消化酵素を含み、食べ物の消化を助ける
- 粘膜の保護:口腔内の粘膜を保湿し、傷つきにくくする
- 味覚の維持:味を感じるセンサー(味蕾)の働きを助ける
- 発音の補助:口の中が乾燥すると、滑舌が悪くなることがある
唾液が減少すると、これらの働きが弱まり、さまざまな問題が発生します。
高齢者の唾液減少によるトラブル
1. 口の中がネバネバする・話しにくい
唾液が少なくなると、口の中が乾燥し、ネバつきを感じることがあります。これにより、会話時に舌がスムーズに動かず、滑舌が悪くなったり、発音がしづらくなったりします。
2. 口臭が強くなる
唾液の自浄作用が低下すると、口の中の細菌が増え、口臭の原因になります。特に夜間は唾液の分泌が減るため、朝起きたときに口臭が強くなることが多いです。
3. 虫歯や歯周病のリスクが上がる
唾液には、虫歯や歯周病の原因となる細菌を抑える働きがあります。しかし、唾液が少なくなると、細菌が繁殖しやすくなり、虫歯や歯周病が進行しやすくなります。
4. 口内炎や舌のひび割れ
唾液が減ると口腔内の粘膜が乾燥し、刺激を受けやすくなります。そのため、口内炎ができやすくなったり、舌の表面がひび割れて痛みを感じたりすることがあります。
5. 食べ物が飲み込みにくい(嚥下障害)
唾液には食べ物を飲み込みやすくする役割があります。唾液が不足すると、食べ物が喉に引っかかりやすくなり、誤嚥(食べ物が誤って気管に入ること)のリスクが高まります。これは高齢者にとって特に深刻な問題であり、誤嚥性肺炎の原因となることもあります。
6. 味覚の低下
唾液が減ると、味を感じる細胞(味蕾)の働きが鈍くなり、味覚が低下することがあります。食べ物の味がよくわからなくなることで、食事の楽しみが減るだけでなく、食欲不振につながることもあります。
唾液減少の原因
高齢者の唾液減少の主な原因には、以下のようなものがあります。
- 加齢による唾液腺の機能低下
- 薬の副作用(降圧剤・抗うつ薬・抗ヒスタミン薬など)
- 水分摂取の不足
- ストレスや緊張
- 糖尿病やシェーグレン症候群などの病気
唾液を増やすための対策
1. こまめに水分を摂る
水分が不足すると唾液の分泌も減ります。こまめに水やお茶を飲み、口の中を潤すようにしましょう。
2. よく噛んで食べる
噛むことで唾液腺が刺激され、唾液の分泌が促進されます。食事の際は、硬めの食材(ごぼう、れんこん、ナッツなど)を取り入れ、よく噛む習慣をつけましょう。
3. 唾液腺マッサージを行う
耳の前や顎の下にある唾液腺を優しくマッサージすると、唾液の分泌が促されます。例えば、耳の下(耳下腺)、顎の下(顎下腺)、舌の下(舌下腺)を指で軽く押すようにマッサージすると効果的です。
4. 口の中を潤す食品やアイテムを活用する
昆布やガムを噛むと唾液が出やすくなります。また、口腔保湿ジェルやスプレーを使うのも有効です。
5. 口呼吸を防ぐ
口呼吸は口の中を乾燥させる原因になります。鼻呼吸を意識し、必要に応じて鼻づまりを改善する対策を取りましょう。
まとめ
高齢者の唾液減少(ドライマウス)は、口の中の不快感だけでなく、口臭や虫歯、歯周病、誤嚥性肺炎などのリスクを高める深刻な問題です。唾液を増やすためには、こまめな水分補給やよく噛む習慣、唾液腺マッサージなどが有効です。口の乾燥を放置せず、適切なケアを行い、口腔内の健康を守りましょう。