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わだち歯科シニア歯科の院長玉本です。
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骨粗しょう症は、骨がもろくなり、骨折のリスクが高まる病気です。加齢とともに発症しやすく、特に閉経後の女性に多いとされています。しかし、骨粗しょう症の影響は全身の骨だけでなく、「歯と歯ぐき」にも及ぶことをご存じでしょうか?実は、骨粗しょう症の方こそ、歯科診療を重視することが大切なのです。今回は、その理由と具体的な注意点について解説します。
1. 骨粗しょう症が歯や口の健康に与える影響
① 顎の骨がもろくなり、歯を支えにくくなる
歯は、顎の骨にしっかりと埋まっていることで安定しています。しかし、骨粗しょう症になると顎の骨の密度が低下し、歯をしっかり支えられなくなることがあります。その結果、歯がぐらついたり、最悪の場合は自然に抜けてしまうこともあります。
② 歯周病のリスクが高まる
骨粗しょう症と歯周病には密接な関係があります。歯周病は、歯ぐきの炎症が進行し、歯を支える骨(歯槽骨)が溶けてしまう病気です。もともと骨密度が低下していると、歯槽骨がダメージを受けやすく、歯周病が悪化しやすくなります。さらに、歯周病による炎症が全身の骨代謝にも悪影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。
③ 口の中が乾燥しやすくなる
骨粗しょう症の治療に使われる一部の薬(ビスホスホネート製剤など)は、副作用として口の中の乾燥を引き起こすことがあります。唾液が減ると、細菌が繁殖しやすくなり、虫歯や歯周病のリスクがさらに高まります。
2. 骨粗しょう症の方が歯科診療を受けるべき理由
① 早期発見で歯の健康を守る
骨粗しょう症の方は、歯周病や顎の骨の変化を早めに発見し、適切な治療を受けることが重要です。定期的な歯科検診を受けることで、歯ぐきの状態や骨の変化をチェックし、必要なケアを行うことができます。
② 骨粗しょう症の薬による「顎骨壊死(がくこつえし)」のリスクを防ぐ
ビスホスホネート製剤などの骨粗しょう症治療薬を長期間使用していると、ごくまれに「顎骨壊死」という深刻な副作用が起こることがあります。これは、抜歯などの外科的処置を受けた後に顎の骨が正常に回復せず、壊死してしまう状態です。そのため、骨粗しょう症の方が歯科治療を受ける際には、事前に主治医と歯科医の連携が必要です。特に抜歯を予定している場合は、服用中の薬を歯科医に伝え、治療計画を慎重に立てることが大切です。
③ 噛む力の低下を防ぎ、健康維持につなげる
歯を失うと、噛む力が弱まり、食事のバランスが崩れやすくなります。噛む刺激は、骨の健康を維持するためにも重要です。しっかり噛める状態を保つことで、顎の骨の衰えを防ぎ、栄養の吸収を助けることができます。
3. 骨粗しょう症の方が気をつけるべき歯科ケア
① 歯周病予防を徹底する
骨粗しょう症の方は、歯周病が進行しやすいため、毎日の歯磨きを丁寧に行うことが重要です。歯ブラシだけでなく、デンタルフロスや歯間ブラシを使って歯ぐきの間もしっかりケアしましょう。また、歯科医院での定期的なクリーニングも効果的です。
② 口の乾燥対策をする
口の乾燥を防ぐために、水分補給をこまめに行い、唾液の分泌を促す食品(ガム、昆布、梅干しなど)を取り入れるのもおすすめです。口腔保湿ジェルやスプレーを使用するのも有効です。
③ 歯科医に薬の服用状況を伝える
骨粗しょう症の治療薬を服用している場合は、歯科医院を受診する際に必ず伝えましょう。特に抜歯やインプラント治療を受ける場合は、薬の影響を考慮して治療計画を立てる必要があります。
4. まとめ
骨粗しょう症は全身の骨だけでなく、歯や顎の骨にも影響を及ぼします。歯を支える骨が弱くなることで歯周病のリスクが高まり、噛む力の低下にもつながります。また、骨粗しょう症の薬には「顎骨壊死」の副作用があるため、歯科治療を受ける際には注意が必要です。骨粗しょう症の方こそ、定期的な歯科診療を受け、適切なケアを行うことが健康維持の鍵となります。今まであまり歯科に関心を持っていなかった方も、これを機に歯の健康を見直してみましょう。