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わだち歯科シニア歯科の院長玉本です。
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近年、歯周病が脳の健康に影響を与える可能性についての研究が進んでいます。その中で注目されているのが、歯周病とアルツハイマー病の関係です。一見無関係に思えるこの二つの病気が、実は深く結びついている可能性が示されています。この記事では、そのメカニズムや予防のポイントについて解説します。
1. 歯周病とは?
歯周病は、歯茎や歯を支える骨など、歯の周りの組織が細菌によって炎症を起こす病気です。放置すると歯がぐらつき、最終的には抜け落ちることもあります。日本では成人の約8割が何らかの歯周病に罹患していると言われており、国民病とも呼ばれるほど一般的な病気です。
歯周病の主な原因は、歯垢(プラーク)に含まれる細菌です。この細菌が炎症を引き起こし、さらに進行すると全身に影響を及ぼすことが分かっています。
2. アルツハイマー病とは?
アルツハイマー病は、脳内に異常なタンパク質(アミロイドβやタウタンパク)が蓄積し、脳細胞がダメージを受けることで認知機能が低下する病気です。物忘れから始まり、次第に判断力や日常生活能力が低下していきます。高齢化が進む現代において、非常に深刻な社会問題となっています。
3. 歯周病とアルツハイマー病の関係
最近の研究では、歯周病がアルツハイマー病のリスクを高める可能性が指摘されています。その関係にはいくつかのメカニズムが考えられています。
① 歯周病菌が脳に影響を与える
歯周病菌(例: ポルフィロモナス・ジンジバリス)が血流を通じて脳に到達し、脳内で炎症を引き起こすことが確認されています。この細菌は毒素(ジンジパイン)を放出し、神経細胞を傷つける可能性があるとされています。
② 慢性炎症がアルツハイマー病の引き金に
歯周病が進行すると、全身で慢性的な炎症が起こります。この炎症がアルツハイマー病の発症や進行に関与することが分かっています。特に炎症性物質(サイトカイン)が脳に影響を与え、認知機能を低下させるリスクが高まると考えられています。
③ アミロイドβの蓄積を促進
歯周病菌が体内に侵入すると、体はこれを排除しようと防御反応を起こします。この過程でアミロイドβが生成されることが確認されています。アミロイドβの蓄積はアルツハイマー病の発症に直結するため、歯周病がこの病気を進行させる一因になる可能性が示唆されています。
4. 歯周病を予防することで脳を守る
歯周病を予防することは、アルツハイマー病のリスクを低減する可能性があります。以下のポイントを押さえて、日頃から口腔ケアを徹底しましょう。
① 正しい歯磨き習慣を身につける
- 食後の歯磨きは必須です。歯と歯茎の境目に歯垢がたまりやすいため、丁寧に磨くことを心がけましょう。
- デンタルフロスや歯間ブラシを使用して、歯と歯の間も清潔に保つことが重要です。
② 定期的な歯科検診
歯科医院での定期検診とプロフェッショナルクリーニング(PMTC)は、歯周病予防に効果的です。早期発見・早期治療を心がけましょう。
③ 生活習慣の改善
- 喫煙や過度の飲酒は歯周病を悪化させるため、控えることが重要です。
- バランスの取れた食事を心がけ、ビタミンCやカルシウムを積極的に摂取することで歯茎を健康に保つことができます。
④ 全身の健康管理
糖尿病や肥満は歯周病のリスクを高める要因です。適度な運動や規則正しい生活で全身の健康を維持することが、口腔内の健康にもつながります。
5. まとめ
歯周病とアルツハイマー病には、慢性炎症や細菌の侵入を通じて密接な関係があることが分かっています。歯周病を予防・治療することは、口腔内の健康だけでなく、脳の健康を守るためにも非常に重要です。毎日の口腔ケアを怠らず、定期的に歯科検診を受けることで、将来のリスクを減らしましょう。