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わだち歯科シニア歯科の院長玉本です。
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私たちの口の中には、数百種類以上の細菌が生息しており、これらは「口腔内マイクロバイオーム」と呼ばれる独自の生態系を作り上げています。マイクロバイオームは、私たちの体の一部として働き、健康を支える大切な存在です。しかし、バランスが崩れると虫歯や歯周病だけでなく、全身の健康にも悪影響を及ぼすことがわかってきました。今回は、マイクロバイオームと歯科の関係について解説します。
口腔内マイクロバイオームとは?
「マイクロバイオーム」とは、人体に共生する微生物の集合体を指し、細菌、ウイルス、真菌(カビなど)などが含まれます。口腔内にも多種多様な細菌が共生しており、これらが作り出すバランスが「口腔内フローラ(口腔内マイクロバイオーム)」として知られています。口腔内マイクロバイオームが健康な状態を保つことで、歯や歯茎が健康に維持されると考えられています。
マイクロバイオームと口腔内の健康
健康な口腔内では、善玉菌と悪玉菌がバランスよく共存しており、悪玉菌が増えすぎないよう善玉菌が抑制する役割を果たしています。しかし、食生活の乱れや口腔ケアの不足などによって悪玉菌が増えると、以下のような問題が発生しやすくなります。
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虫歯のリスクが上がる
虫歯菌(ミュータンス菌など)は、口腔内で糖分を分解して酸を生み出し、歯を溶かして虫歯を引き起こします。マイクロバイオームのバランスが崩れると虫歯菌が優勢になり、虫歯リスクが増加します。 -
歯周病が進行しやすくなる
歯周病菌(ポルフィロモナス・ジンジバリスなど)は歯茎や歯槽骨を破壊する炎症を引き起こします。これが進行すると歯周病となり、最終的には歯を支える骨が失われる可能性もあります。特に、口腔内の悪玉菌が増えると、免疫の反応が過剰になり、炎症が起こりやすくなります。 -
全身疾患との関係
最近の研究では、口腔内のマイクロバイオームが全身の健康に影響を及ぼすこともわかっています。例えば、歯周病菌が血流に入り込むと、心臓病や糖尿病など、全身疾患のリスクが高まる可能性が示唆されています。口腔内の炎症や悪玉菌の増加は、全身の炎症を引き起こす原因にもなるため、注意が必要です。
健康な口腔内マイクロバイオームを保つ方法
口腔内のマイクロバイオームを健康に保つには、日常のケアが重要です。以下のような習慣が、マイクロバイオームのバランス維持に役立ちます。
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正しい歯磨き習慣
毎日の歯磨きは、口腔内の菌の増殖を抑えるために欠かせません。特に、食後の歯磨きと夜寝る前のブラッシングは、虫歯や歯周病のリスクを低減します。 -
バランスの取れた食生活
菌のエサとなる糖分の多い食べ物を控え、野菜や発酵食品などの善玉菌を増やす食品を意識して摂取しましょう。これにより、口腔内環境を整え、悪玉菌が増えるのを防ぐことが期待できます。 -
定期的な歯科検診
口腔内のマイクロバイオームのバランスは、自分では完全に管理しきれない場合もあります。定期的に歯科医院でクリーニングを受け、菌の繁殖が進まないよう予防ケアを行うことが大切です。
まとめ
口腔内マイクロバイオームは、歯や歯茎、さらには全身の健康に影響を与える重要な存在です。日頃から正しいケアやバランスの取れた食生活、定期的な歯科検診を心がけることで、口腔内のマイクロバイオームを健全に保ち、虫歯や歯周病、さらには全身の健康を守ることができます。マイクロバイオームを意識したケアで、健康な口腔環境を維持しましょう。