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わだち歯科シニア歯科の院長玉本です。
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骨粗鬆症は骨の密度が低下し、骨がもろくなる疾患で、特に高齢者に多く見られます。骨粗鬆症の方が歯科治療を受ける際には、治療中の薬や骨の状態に配慮が必要です。今回は、骨粗鬆症が歯科治療にどのような影響を及ぼすか、歯科治療を受ける際の注意点について詳しく解説します。
骨粗鬆症が歯や顎の骨に及ぼす影響
骨粗鬆症は、歯や顎の骨にも影響を与えます。骨密度の低下により、歯を支える骨がもろくなり、歯の抜けやすさや歯槽膿漏(しそうのうろう:歯周病の一種)といった口腔内のトラブルが増えるリスクがあります。また、顎の骨がもろくなると、治療後の回復が遅れることもあります。
骨粗鬆症による口腔内の問題
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歯のぐらつきや抜けやすさ
歯を支える歯槽骨も骨粗鬆症の影響を受けるため、歯がぐらついたり、歯周病が悪化しやすくなります。進行すると抜け歯のリスクも高まります。 -
顎の骨折のリスク
顎の骨がもろくなると、転倒や事故で顎を強打した際に骨折しやすくなります。特に入れ歯やインプラント治療を受ける場合には、顎の骨の状態を十分確認する必要があります。
骨粗鬆症治療薬と歯科治療の関係
骨粗鬆症の治療に使われる薬の中でも、特に「ビスフォスフォネート製剤」や「デノスマブ」といった薬は歯科治療において注意が必要です。これらの薬は骨を強化する一方で、まれに「顎骨壊死(がっこつえし)」という重篤な副作用が生じるリスクがあります。
顎骨壊死とは?
顎骨壊死とは、顎の骨が壊死(細胞や組織が死ぬこと)してしまう状態で、顎の痛みや骨の露出、感染症などの症状が現れます。特に抜歯などで顎の骨が露出する処置を行うと、治療後に顎骨壊死が発症しやすくなるとされています。
ビスフォスフォネート製剤使用者の注意点
ビスフォスフォネート製剤を服用している場合は、抜歯やインプラントなど、顎骨に負担がかかる治療はリスクが高まるため、必ず歯科医に相談しましょう。また、骨粗鬆症治療の開始前に、あらかじめ必要な歯科治療(抜歯や歯周病治療など)を済ませておくことも推奨されています。
骨粗鬆症患者が歯科治療を受ける際の注意点
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服用中の薬を歯科医に伝える
骨粗鬆症治療薬を服用している場合は、必ず歯科医師に伝えてください。使用している薬の種類や服用期間によって治療方針が変わる場合があります。 -
定期的なメンテナンス
骨粗鬆症の方は歯や顎の骨が弱くなっているため、日頃から定期的な歯科検診や歯のクリーニングを受け、歯周病や歯槽膿漏の進行を防ぐことが重要です。特に歯周病は放置すると骨がさらに弱くなるため、早期の治療が推奨されます。 -
抜歯やインプラント治療は慎重に
抜歯やインプラント治療は顎の骨に負担がかかるため、治療のタイミングや方法について、歯科医師と骨粗鬆症の主治医の両方と十分に相談することが大切です。また、骨粗鬆症治療薬の服用中は治療リスクが上がるため、医師と相談しながら必要に応じて休薬期間を設ける場合もあります。
まとめ
骨粗鬆症は歯や顎の骨にも影響を及ぼすため、歯科治療を受ける際には特別な配慮が必要です。特に骨粗鬆症治療薬を服用している場合は、顎骨壊死のリスクを考慮して、歯科医師に薬の情報を伝え、定期的なメンテナンスを行いましょう。歯と全身の健康を守るためにも、骨粗鬆症と歯科治療の関係について正しい理解を持つことが重要です。