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認知症と口腔ケアについて

こんにちは。
わだち歯科シニア歯科の院長玉本です。

稲沢市、あま市、清須市、などの近くの地域で、
シニアの方々やそのご家族の方々に愛され、おすすめして頂ける歯科医院を
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予約しなくてもご来院頂けますので、ぜひいつでもお気軽にお越しください。

高齢者の口腔ケアは、健康維持や生活の質の向上において重要な役割を果たします。特に、認知症との関連が指摘されており、適切な口腔ケアが認知症の進行を遅らせたり、予防に寄与する可能性があります。以下では、高齢者の口腔ケアと認知症の関係について詳しく説明します。

1. 口腔ケアの重要性

高齢者は、加齢に伴い歯や歯茎の健康が低下しやすくなります。歯の喪失、歯周病、口腔乾燥症(ドライマウス)などが進行すると、食事や会話が困難になり、栄養状態の悪化や社会的な孤立を招くことがあります。また、口腔内の細菌が全身に影響を及ぼし、肺炎や心疾患など、他の健康問題を引き起こすリスクも高まります。

2. 口腔ケアと認知症の関係

近年の研究では、口腔ケアと認知症との関連性が明らかになりつつあります。歯周病や口腔内の炎症が、全身に慢性的な炎症反応を引き起こし、これが脳に悪影響を与えることが示されています。特に、歯周病による細菌が血流を介して脳に到達し、アルツハイマー型認知症のリスクを高める可能性があるとされています。

また、歯を多く失った高齢者は、噛む力が弱くなり、脳への刺激が減少します。この「噛むこと」による脳の刺激の低下が、認知機能の低下を促進することがわかってきました。実際に、歯の数が少ない人ほど認知症のリスクが高くなるという調査結果もあります。

3. 認知症の進行と口腔ケアの難しさ

認知症の進行に伴い、患者自身が口腔ケアを十分に行うことが難しくなることが多いです。例えば、歯磨きを忘れたり、正しいブラッシングができなくなったりすることがあります。そのため、介護者や家族が適切にサポートすることが不可欠です。しかし、認知症の患者は、口の中を触られることを嫌がることが多く、口腔ケアが困難になる場合もあります。こうした場合には、歯科医や口腔ケア専門のスタッフと連携して、定期的に専門的なケアを受けることが推奨されます。

4. 口腔ケアの実践方法

高齢者や認知症患者に適した口腔ケアを実践するための方法として、以下が挙げられます。

  • 毎日の歯磨き
    短時間でも良いので、毎日少なくとも1回は歯磨きを行うことが大切です。可能であれば、朝食後と就寝前の2回を目安に、丁寧に歯を磨くようにします。

  • 歯間ブラシやフロスの活用
    歯と歯の間の食べかすやプラークは、歯ブラシだけでは取り除けないことが多いです。歯間ブラシやデンタルフロスを使用して、隙間のケアを行います。

  • 口腔内の保湿
    ドライマウスの予防や改善には、唾液を増やすためのマッサージや、保湿ジェルの使用が効果的です。認知症患者にもやさしい、唾液の分泌を促進する食品やサプリメントもあります。

  • 定期的な歯科受診
    自身でケアが難しくなった場合、定期的に歯科医を訪れることで、専門的なケアを受けられます。歯科医や歯科衛生士と連携して、長期的な口腔の健康を維持することが大切です。

まとめ

高齢者の口腔ケアは、単なる口の中の健康維持にとどまらず、全身の健康や認知機能にも大きな影響を与える重要な要素です。特に認知症患者に対しては、日常的なケアと専門的なサポートの両方が必要であり、適切な口腔ケアを続けることで、認知機能の低下を抑制し、生活の質を向上させる可能性があります。